先駆的な取り組みで、宮崎県の農業の発展や地域活性化に貢献した農業者らに贈る、第65回宮崎日日新聞農業技術賞の贈呈式が1月20日に宮崎市の宮日会館で行われました。
団体・法人部門において、JA尾鈴の尾鈴肉用繁殖牛部会BL互助会が表彰され、代表で甲斐栄部会長と永山正次朗部会長に賞状と記念品が贈呈されました。
JA尾鈴の生産部会では、平成28年に花き部会スィートピー専門部が受賞して以来、6年ぶりの快挙となります。
同互助会は、2010年の口蹄疫の教訓を踏まえ、尾鈴肉用繁殖牛部会が牛伝染性リンパ腫(BL)の罹患のない地域づくりを行うことを決意。翌2011年に同部会の中にBL互助会を設立し、感染予防対策、自主検査、互助制度を創設、子牛セリ市の検査結果公表に取り組みました。
これにより、牛伝染症リンパ腫の清浄化が進展。他地域でもセリ子牛の検査が行われるようになり、児湯地域家畜市場の評価が高まりました。
さらに、検査結果公表が陰性子牛を求める購買者を呼び込むこととなり市場が活性化。肉用牛繁殖農家の所得が増大し、若手の農家を中心に規模拡大が進みました。
また、当会の活動は、宮崎県における牛伝染性リンパ腫対策の先駆けであり、当会活動をモデルとして、県内他地域でも同様な取り組みが行われるようになったことで、本県の牛伝染性リンパ腫対策の進展に大きく寄与しました。
部会長らは、「当初は反対の声もあったが、皆の協力のおかげでここまで来られた。これまでの長い道のりが評価され光栄に思う。畜産農家の所得向上につながりつつ、この取り組みが全国各地に広がってほしいと願う。」と感想を話されました。
3年ぶりの開催となる贈呈式では、野菜・水稲や花き、畜産など5部門で2個人、4団体、2法人が表彰されました。また、川南町、都農町、JA尾鈴の協力もあり、成し遂げられたことへの感謝の意を表し、両町へは尾鈴産いちごを、JAへは尾鈴産宮崎牛をそれぞれ手渡しました。
同互助会のBL互助会加入率は95.1%で BL清浄確認農場率98.7%の実績。今後は、尾鈴地域の牛伝染性リンパ腫清浄化を達成し、その維持を図っていきます。