宮崎牛、宮崎県産和牛や豚肉の加工販売を行う(株)ミヤチク(本社・宮崎県都城市)が宮崎県都農町に建設していた新工場が完成し、3月30日に竣工式がありました。
新工場は鉄骨造3階建てで延べ床面積約1万4236平方㍍、総事業費は約80億円。衛生管理基準の特に厳しい欧州連合(EU)への輸出にも対応する最新鋭の食肉処理加工施設となっています。
式には河野俊嗣・宮崎県知事や江藤拓・衆議院議員ら135人が出席し、神事の後に内覧会も行われました。
同社の有馬慎吾社長は「国内最高基準の衛生管理体制を整えた。宮崎牛、宮崎ブランドポークといった〝宮崎ブランド〟を、日本全国はもとより全世界へ向けて発信していく」と力強く語りました。
新工場の大きな特徴としては、牛と豚の処理工程を完全に分離し、冷却機能などを強化したこと。また動物福祉(アニマルウェルフェア)を重視するEUへの輸出に対応するため、係留所内に給餌・飲水や換気設備を造り、1頭あたりのスペースも広くしてストレス軽減へ配慮しています。
処理能力は旧工場と同じく1日あたり牛60頭、豚820頭。4月から稼働し、夏までには旧工場からの移行を完了する予定です。
同社によると、牛肉輸出量は米国、香港、台湾を中心に2017年度は245㌧(都農、高崎工場の合計)で、21年度は300㌧の見込み。そのため順次、米国、アジア各国の輸出認可を得て、EU向けも来年の認可を目指しています。